フレームレートとは?
防犯カメラのfpsと映像の滑らかさを分かりやすく解説
防犯カメラの仕様書を見ると、
「15fps」
「30fps」
「4K:15fps」
などの表記があります。
このfpsを表しているのがフレームレートです。
フレームレートが高いほど、人や車の動きを滑らかに記録できます。
ただし、30fpsなら必ず良いというわけではありません。
フレームレートを高くすると、録画するデータ量や通信量が増えるため、設置目的に合わせた設定が重要です。
この記事では、フレームレートの意味や5fps・15fps・30fpsの違い、解像度やHDD容量との関係について分かりやすく解説します。
フレームレートとは?
フレームレートとは、1秒間の映像を何枚の静止画で構成しているかを表す数値です。
単位には、
fps(frames per second)
を使用します。
例えば、
1fps
なら、1秒間に1枚。
15fps
なら、1秒間に15枚。
30fps
なら、1秒間に30枚の画像を連続して表示しています。
防犯カメラの映像は、実際には多数の静止画を高速で連続表示することで、動画として見える仕組みになっています。
5fps・15fps・30fpsではどう違う?
代表的なフレームレートを比較すると、次のようになります。

例えば、歩いている人物なら15fpsでも動きを十分確認できる場合があります。
一方、走行中の車や素早い手の動きを確認したい場合は、より高いフレームレートが有利です。
フレームレートが低いとどう見える?
フレームレートが低い映像では、人物が移動した際に、
位置A → 位置B → 位置C
というように、動きが飛び飛びに見えます。
そのため、一瞬の動作を確認したい場合には情報が不足することがあります。
例えば、
-
レジで現金を渡した瞬間
-
商品を手に取る動作
-
工場で作業員が操作した瞬間
-
車両が通過する瞬間
などでは、フレームレートが低すぎると重要な場面が記録されない可能性があります。
フレームレートが高いメリット
人物の動きが滑らかに見える
歩行や作業中の動きを自然に確認できます。
一瞬の動作を記録しやすい
フレーム数が多いため、短時間の動作を記録できる可能性が高くなります。
車両など動きの速い対象に有利
駐車場や道路など、移動速度の速い被写体を撮影する場合に適しています。
トラブル確認がしやすい
レジでの商品や金銭の受け渡しなど、細かな動作を確認しやすくなります。
フレームレートが高いデメリット
フレームレートを高くすると、1秒間に記録する画像枚数が増えます。
そのため、
-
録画データ量が増える
-
HDD容量を多く使用する
-
IPカメラでは通信量が増える
-
レコーダーへの負荷が増える
といったデメリットがあります。
したがって、すべてのカメラを30fpsにする必要はありません。
防犯カメラには何fps必要?
必要なフレームレートは、撮影目的によって変わります。
住宅の玄関・建物外周
10~15fps程度
人物が来たことや侵入状況を確認する用途なら、必ずしも30fpsは必要ありません。
店舗・売場
15fps前後
人物の移動や商品を手に取る状況を確認する用途では、比較的バランスのよい設定です。
レジ・金銭授受
15~30fps
紙幣や商品の受け渡しなど、短時間の動作確認を重視する場合は高めのフレームレートが有効です。
工場・生産ライン
15~30fps
機械の動作や作業状況を確認する場合は、対象の動作速度に合わせて設定します。
駐車場・車両
15~30fps
走行車両など動きの速い対象を確認する場合は、高めの設定が有利です。
30fpsだから車のナンバーが読めるわけではない
ここは注意したいポイントです。
車両を撮影する場合、
「30fpsにすればナンバーが読める」
とは限りません。
ナンバープレートの確認には、
-
解像度
-
レンズの焦点距離
-
車両までの距離
-
車両速度
-
シャッタースピード
-
カメラ設置角度
-
夜間のヘッドライト
-
照明環境
なども影響します。
フレームレートは、あくまで1秒間に何枚記録するかを表すものです。
動いている物体の「ブレ」を止める性能とは別に考える必要があります。
フレームレートとシャッタースピードは違う
この2つは混同されやすい用語です。
フレームレート
→ 1秒間に何枚の映像を記録するか
シャッタースピード
→ 1枚の画像を撮影するために光を取り込む時間
例えば30fpsで録画していても、シャッタースピードが遅ければ、走っている人物や車がブレる場合があります。
動く対象を鮮明に撮影したい場合は、両方を考える必要があります。
解像度とフレームレートの関係
レコーダーの仕様を見ると、
「4K:15fps」
「5MP:20fps」
「1080P:30fps」
などと記載されていることがあります。
これは、解像度によって処理できるフレームレートが異なるためです。
高解像度映像は1枚あたりの情報量が多いため、機種によっては、
フルHDでは30fps録画できても、4Kでは15fpsまで
という場合があります。
そのため、レコーダー選びでは、
「4K対応」だけを見るのではなく、「4Kで何fps録画できるのか」まで確認することが重要です。
カメラとレコーダーのfpsにも注意
カメラが30fpsに対応していても、レコーダー側がその条件で録画できなければ、30fpsの映像として残すことはできません。
例えば、
カメラ:4K・30fps対応
でも、
レコーダー:4K録画は15fpsまで
なら、実際に保存できる映像は最大15fpsになります。
これは前の記事で解説した、「カメラ解像度とレコーダー録画解像度が別」という考え方と同じです。
フレームレートについても、カメラとレコーダーの両方を確認する必要があります。
ライブ映像と録画映像のfpsが違う場合もある
防犯カメラシステムでは、
ライブ映像のフレームレート
と
録画映像のフレームレート
が必ずしも同じとは限りません。
例えば、モニターでは滑らかなライブ映像を表示していても、HDDにはデータ量を抑えるため低いfpsで録画する設定が可能な機種もあります。
そのため、「モニターでは滑らかだった」だけで録画映像も同じ品質だと思わず、実際の録画設定を確認することが大切です。
フレームレートとHDD容量の関係
同じ解像度・画質設定で比較した場合、一般的にはフレームレートが高くなるほど録画データ量も増えます。
例えば、
15fps → 30fps
にすると、1秒間に扱う画像枚数は2倍になります。
ただし、実際のデータ量はH.265などの圧縮方式やビットレート設定、映像内の動きによっても変わるため、単純にHDD使用量が必ず2倍になるとは限りません。
それでも、多台数の防犯カメラを長期間録画する場合は、fps設定がHDD容量に大きく影響します。
フレームレートと通信量の関係
IPカメラでは、映像をLANネットワーク経由で送信します。
そのため、
-
高解像度
-
高フレームレート
-
高ビットレート
になるほど通信量が増える傾向があります。
例えば工場で20台、30台とIPカメラを設置する場合、すべてを4K・30fpsで動作させるとネットワークへの負荷が大きくなる場合があります。
カメラ台数が多い現場では、必要な映像品質と通信負荷のバランスを考えて設計します。
高fpsが特に有効な場所
フレームレートを高めに設定する価値が高いのは、
-
コンビニや店舗のレジ
-
金銭授受を確認する場所
-
工場の生産ライン
-
車両の出入口
-
フォークリフト通路
-
人の動きが速い場所
などです。
一方、
-
建物外周
-
倉庫の固定監視
-
夜間の侵入監視
など、普段ほとんど動きがない場所では、低めのfpsでも目的を達成できる場合があります。
すべて30fpsにしない方がよい理由
高フレームレートにはメリットがありますが、防犯システムでは適材適所が重要です。
例えば16台のカメラがある場合、
レジや車両出入口だけ30fpsにし、
建物外周や倉庫は10~15fpsにする、
といった設定も考えられます。
これによって、重要な場所の映像品質を確保しながら、
-
HDD容量
-
ネットワーク負荷
-
レコーダー処理負荷
を抑えることができます。
よくある質問
30fpsが一番きれいですか?
動きは滑らかになりますが、映像の細かさそのものは主に解像度などによって決まります。30fpsだから高解像度になるわけではありません。
15fpsでも防犯カメラとして使えますか?
はい。一般的な人物監視では15fps程度でも十分なケースが多くあります。
5fpsでは少なすぎますか?
動きの少ない場所では使用できる場合がありますが、人物や車両の細かな動作を確認する用途では不足する可能性があります。
4K・30fpsなら最高画質ですか?
映像情報量は多くなりますが、レンズ、夜間性能、WDR、シャッタースピード、ビットレートなども実際の見え方に影響します。
まとめ
フレームレートとは、1秒間に何枚の画像を記録・表示するかを表す数値で、fpsという単位を使用します。
数値が高いほど動きは滑らかになりますが、その分、
-
録画データ量
-
HDD使用量
-
ネットワーク通信量
-
レコーダー負荷
も増える傾向があります。
防犯カメラでは、すべてを30fpsにするのではなく、
「その場所で、どのような動きを確認したいのか」
を基準に設定することが重要です。
解像度・フレームレート・レンズ・シャッタースピードを組み合わせて考えることで、目的に合った映像を記録できます。
防犯設備士からのワンポイントアドバイス
フレームレートは、カタログ上の「最大30fps」という数字だけで判断しないことが重要です。
特にレコーダーでは、
「フルHDなら30fps、4Kでは15fps」
のように、解像度によって録画性能が変わる機種があります。
また、一般的な建物外周の監視と、コンビニのレジや工場の生産ラインでは、必要なフレームレートは同じではありません。
例えばレジでは手元の細かな動きを確認するため高めに設定し、ほとんど動きのない建物外周では低めに設定することで、HDD容量を有効に活用できます。
「最高値に設定する」のではなく、「必要な場所に必要なfpsを割り当てる」ことが、防犯カメラシステムを効率よく運用するポイントです。