【二度と失敗しない】防犯カメラ
【二度と失敗しない】
防犯カメラ 病院設置

最近では、病院にも防犯カメラが設置されています。特に大病院では、ほぼすべて防犯カメラが導入されています。
現金や健康保険証、処方箋の受け渡し確認、待合室での混雑状況確認に利用されています。
入院施設のある場合には、夜間でも少人数スタッフで管理できます。
また、入口や外部周辺には、防犯用にIR(赤外線)機能付きの防犯カメラも設置されています。
ここでは、小規模の医院~中規模の病院にスポットを当てて、最適な防犯カメラやカメラ設置位置をみていきます。
目次

設置位置
まず、防犯カメラ、レコーダー、モニターの設置位置を考えてみます。
防犯カメラの設置位置
防犯や犯罪抑止を考えると、建物の出入り口や屋外の壁面、駐車場、受付や会計が考えられます。
金銭や健康保険証、処方箋の受け渡し確認を目的とするならば、受付付近です。
患者さんの混雑状況を確認するのであれば、待合室です。
病院によっては、屋内にのみ防犯カメラを設置していて屋外に設置していないケース、あるいは、逆に屋外にしかカメラを設置していないケースもあります。
これでは「片手落ち」と言わざるを得ません。
受付けには防犯カメラを設置したものの、駐車場や外部出入り口に防犯カメラを設置しなかったために、犯罪抑止効果は全くなく、深夜に泥棒に入られた、なんて話も耳にします。
せっかく防犯カメラを設置するのであれば、「犯罪抑止効果」と「日常の確認」双方に役立てたいものです。
レコーダーやモニターの設置場所
レコーダーとモニターは、同一の場所に設置するのが基本です。記録映像の検索やバックアップをするのにはどうしてもモニターが必要です。
レコーダーやモニターの設置場所として考えられるのは、事務所や院長室、場合によっては倉庫や機械室というパターンもあります。
一方で、レコーダーによっては、複数のモニターに映像出力することも可能な機種もあります。
この場合、事務所や院長室に加えて、宿直室や、院長の自宅が併設されている場合には院長宅へのモ ニター設置も可能です。


防犯カメラに求められる性能
画素数
防犯カメラは、アナログカメラとIP(ネットワーク)カメラに大別されますが、大ざっぱに言って50万画素~800万画素(4K)超のものまで幅広くラインナップされています。
しかしながら、画素数は高ければ高いほどいい、というのは間違った考えです。
また、IPカメラはデジタル信号だからアナログカメラよりもいい、というのも間違っています。
一般的に流通しているモニターの解像度はフルHD(200万画素)です。
家庭用のテレビモニターは最近は4K(800万画素)が販売されていますが、実際に使用されているのは今だにフルHDかそれ以下のモデルです。
一方、映像はレコーダー内のHDDに録画されますが、高解像度で録画するには大容量のHDDが必要です。HDD容量を増やすと高価になり、予算の問題もでてきます。
よくある残念な例は、
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防犯カメラは4K(800万画素)
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モニターはフルHD(200万画素)
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レコーダーへの記録解像度は、フルHD
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記録日数を増やすため、1秒間あたりの記録コマ数は7コマ
などがあります。
経験的に言うと、
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防犯カメラは400万画素程度
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モニターはフルHD
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録画記録解像度はカメラ解像度と同一(この場合は400万画素)
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1秒間あたりの記録コマ数は15コマ
このくらいが映像の鮮明さと予算が両立できる設定だと思われます。
なお、アナログカメラとIP(ネットワーク)カメラの違いについては、「アナログカメラとIPカメラの基礎知識」をお読みください。
ズームワイド機能
バリュフォーカルともいいます。詳しくは「防犯カメラの選び方 ズームワイド機能」を参照ください。
受付での金銭や健康保険証等の授受をピンポイントで確認したい場合や、駐車場でのナンバー判読に威力を発揮します。
400万画素超のカメラでズーム機能を用いれば、鮮明に映像を撮影できます。
IR(赤外線)機能
詳しくは「防犯カメラの選び方 夜間撮影機能」を参照ください。
真っ暗闇になると自動的に赤外線照射し、白黒映像ではありますが非常に鮮明に撮影できます。
屋外カメラには必須の機能です。屋内カメラであっても夜間に消灯する場所ではIR機能付きがお勧めです。
ただ、最近の防犯カメラは0.001Lux(星明り)程度でもIR無しで撮影できます。
また、IR照射距離も商品によって違い、照射距離が長いと高価になります。
設置場所に応じて個別に検討しましょう。
音声マイクとインカム
IPカメラではマイク機能が付属している商品もあります。もちろんマイク機能が付属すると商品価格は上昇します。
アナログカメラでは、マイクを別途設置します。
少なくとも受付周辺にはマイクを設置すべきでしょう。
マイクで拾った音声はレコーダーに記録されますが、リアルタイム音声を別室に流すことも可能です。
インカムを使って業務連絡をしている病院も多数ありますが、小規模医院では、受付での音声を院長室や事務所でリアルタイムモニタリングすることも可能です。
レコーダーに求められる性能

コンパクト・直感操作
事務所や院長室、場合によっては併設された院長自宅に設置するのですからコンパクトさが求められます。
また、記録映像を確認したりバックアップしたりする頻度は、商業施設と違いそれほど高くありません。
したがい、直感的に操作できるレコーダーが望ましいです。
検索やバックアップはマニュアル無しでも操作できる機種を選択すべきでしょう。

病院の壁面に設置された屋外用IR防犯カメラ
解像度
「レコーダーの記録解像度」は「カメラの解像度」と一致させるべきです。
「レコーダー記録解像度」が「カメラ解像度」より低いと、いざ再生したときに映像の粗さにがっかりすることになります。
記録日数
録画映像は1カ月程度保存できるように設定を調整したほうがいいでしょう。
保存期間は、
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HDD容量
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録画解像度
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1秒間あたりの記録コマ数
に大きく依存します。
ポイントは
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録画解像度は基本的に防犯カメラ解像度と一致させる
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1秒間あたりのコマ数は15コマを下回らない
です。
この設定で記録日数が1カ月を切るようであれば、HDD容量の増設を検討しましょう。

スマホやPCでの遠隔監視
遠隔監視機能はレコーダーに標準で備わっています。
詳しくは「録画機の選び方 遠隔監視」をご覧ください。
インターネット回線に接続すれば、すぐにスマホやPCで遠隔監視できます。
病院によっては、現場にモニターを設置せずに本部から遠隔監視のみを行っているところもあります。
この場合、データのバックアップも遠隔で行うことになりますが、高解像度で録画している場合、バックアップのデータ容量も膨大になります。
インターネット経由でバックアップすると、データ量によってはかなり時間がかかりますので注意が必要です。
混雑状況モニタリング

防犯カメラは待合室の混雑状況モニタリング用にも活用できます。
インカム等で混雑状況を共有するのではなく、事務所や院長室に待合室の状況確認用にモニターやスピーカーを設置しておけば、状況を瞬時に把握することができます。

まとめ
防犯カメラは400万画素以上、レコーダーの映像保存期間は1カ月程度を目安に機種選定をしてください。
また、病院設置に最適な防犯カメラは、アナログAHDカメラです。
アナログAHDカメラの優位な点については、防犯カメラの選び方 アナログカメラの特徴」「アナログカメラシステムの分類」で図解しています。
参考までに、私がこれまでに利用した中でも信頼のおける施工業者を挙げておきます。