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防犯カメラの信号形式とは?

AHD・TVI・CVI・CVBS・IPの違いを分かりやすく解説

防犯カメラの仕様書を見ると、

  • AHD

  • HD-TVI

  • HD-CVI

  • CVBS

  • IP

などの表記を見かけることがあります。

これらは、防犯カメラの映像をレコーダーなどへ送るための信号方式・伝送方式に関係する名称です。

見た目がよく似た防犯カメラでも、映像信号の方式が違えば、レコーダーへ接続しても映像が表示されないことがあります。

特に既設の防犯カメラを交換するときには注意が必要です。

例えば、

BNC端子が付いているから接続できる

同軸ケーブルだから使える

とは限りません。

カメラとレコーダーが対応する信号形式を確認する必要があります。

この記事では、防犯カメラで使われるAHD・TVI・CVI・CVBS・IPについて、それぞれの特徴や違いを分かりやすく解説します。

防犯カメラの信号形式とは?

防犯カメラで撮影した映像は、何らかの方法でレコーダーやモニターへ送る必要があります。

このとき重要になるのが映像信号の形式です。

大きく分けると、防犯カメラには、

同軸ケーブルを利用する方式

LANケーブルを利用するIP方式

があります。

同軸方式にも複数の信号形式があり、代表的なものが、

  • CVBS

  • AHD

  • HD-TVI

  • HD-CVI

です。

一方、IPカメラは映像をデジタルデータとしてネットワーク上で伝送します。

まず「端子」と「信号形式」は別と考える

防犯カメラを理解するうえで重要なのが、

接続端子が同じだから、同じ映像方式とは限らない

ということです。

例えば、AHD・TVI・CVI・CVBSでは、BNC端子が使用されることがあります。

見た目だけなら、ほとんど区別できないことがあります。

しかし、

コネクタの形状

そのケーブルを流れている映像信号

は別の話です。

BNC端子が接続できても、レコーダー側がその信号方式に対応していなければ映像を表示できません。

CVBSとは?

CVBSは、従来から使用されてきたアナログ映像信号です。

防犯カメラでは、古いアナログカメラシステムで広く利用されていました。

以前の防犯カメラでは、

52万画素

など、現在と比較すると低解像度のアナログカメラが多く使用されていました。

こうした従来型アナログカメラから高解像度化するために登場したのが、AHD・TVI・CVIなどの方式です。

現在では新規システムでCVBSを積極的に採用する機会は少なくなりましたが、古い設備の更新では目にすることがあります。

AHDとは?

AHDは、

Analog High Definition

の略です。

同軸ケーブルを利用しながら、従来のアナログ防犯カメラより高解像度の映像を伝送できる方式です。

AHDの大きなメリットは、既設の同軸配線を活用して高画質化できる場合があることです。

例えば古いアナログカメラが設置されている建物で、既設同軸ケーブルを残し、カメラとDVRをAHD対応機器へ交換することで、配線をすべて引き直さずに高解像度化できるケースがあります。

HD-TVIとは?

HD-TVIは、

High Definition Transport Video Interface

の略です。

AHDと同じように、同軸ケーブルで高解像度映像を伝送する方式です。

防犯カメラメーカーによって採用されており、フルHD以上の高解像度にも対応する製品があります。

 

基本的な考え方は、

カメラ

同軸ケーブル

DVR

という構成です。

HD-CVIとは?

HD-CVIも、同軸ケーブルを使用して高解像度映像を伝送する方式です。

HD-CVIは、

High Definition Composite Video Interface

の略です

AHDやTVIと同様に、従来の同軸配線を利用した高解像度防犯カメラシステムで使用されます。

AHD・TVI・CVIは見た目では判断しにくい

この3方式は非常に似ています。

例えば、

バレットカメラ

BNC端子

同軸ケーブル

という見た目だけでは、

AHDなのか、TVIなのか、CVIなのか、判断できないことがあります。

そのため、中古カメラや既設設備を利用する場合は、カメラのラベルや型番、仕様書などを確認する必要があります。

AHD・TVI・CVIは互換性がある?

基本的には、レコーダー側がその信号方式に対応している必要があります。

例えば、

AHDカメラ

を、

TVIだけに対応したDVR

へ接続しても、正常に映像が表示されない可能性があります。

ただし現在では、AHD/TVI/CVI/CVBSなど複数方式を自動認識・切替できるマルチフォーマットDVRもあります。

その場合は異なる方式のカメラを接続できることがあります。

ただし、対応する信号方式だけでなく、対応解像度やフレームレートも確認する必要があります。

マルチフォーマットDVRとは?

マルチフォーマットDVRとは、複数の映像信号方式へ対応したレコーダーです。

例えば、

AHD

TVI

CVI

CVBS

に対応した製品があります。

製品によっては、さらにIPカメラ入力にも対応します。

このようなDVRなら、既設設備の一部を残しながら段階的にカメラを交換できる場合があります。

ただし、

「マルチフォーマット=どんなカメラでも接続できる」

という意味ではありません。

対応する方式・解像度・fpsなどを確認しましょう。

同じAHDでも解像度に注意

例えば、

カメラ:500万画素AHD

DVR:200万画素AHDまで対応

という組み合わせでは、正常に使用できない場合があります。

両方に「AHD」と書かれているため接続できそうに見えますが、レコーダー側がカメラの出力解像度に対応していません。

つまり確認するのは、

① 信号形式

だけではなく、

② 入力解像度

も重要です。

これは既設DVRへ新しい高画素カメラを追加するときに特に注意したいポイントです。

カメラの出力信号を切り替えられる製品もある

同軸タイプの防犯カメラには、1台で複数の信号形式に対応する製品があります。

例えば、

AHD

TVI

CVI

CVBS

をスイッチや設定によって切り替えられるカメラです。

このような製品なら、使用するDVRに合わせて出力形式を変更できます。

逆に、「新品なのに映像が出ない」という場合、カメラの出力信号がDVRと違う方式になっていることもあります。

IPカメラは仕組みが違う

IPカメラは、AHD・TVI・CVIとは基本的な仕組みが異なります。

IPカメラでは映像をデジタルデータとして、

LANケーブル

ネットワーク

NVR

へ伝送します。

各カメラにはIPアドレスが設定され、ネットワーク機器として動作します。

一般的には、

同軸カメラ
→ DVR

IPカメラ
→ NVR

という構成になります。

IPカメラならメーカーが違っても接続できる?

IPカメラでは、異なるメーカー間の互換性を確保するためにONVIFという共通仕様が利用されています。

しかし、

ONVIF対応=すべての機能が完全に使える

とは限りません。

例えば、

  • AI人物検知

  • 顔認識

  • 車両認識

  • AI検索

  • タンパリング

  • 音声

  • サイレン

  • ライト

など、メーカー独自機能が正常に連携しないことがあります。

そのため、高度なAI機能まで利用する場合には、カメラとNVRを同一メーカー・対応シリーズで揃える方が確実です。

AHDとIPカメラはどちらが高画質?

「IPだから高画質、AHDだから低画質」と単純には判断できません。

現在ではAHDなどの同軸方式でも高解像度化しています。

一方、IPカメラにも200万画素から4Kクラスまでさまざまな製品があります。

画質は、

  • カメラの解像度

  • イメージセンサー

  • レンズ

  • ビットレート

  • 圧縮方式

  • レコーダーの録画性能

などによって変わります。

信号形式だけで画質の良し悪しは決まりません。

AHDとIPでは遅延にも違いがある

防犯カメラでは、映像の遅延も重要です。

IPカメラでは、

撮像

画像処理

H.264/H.265などで圧縮

ネットワーク伝送

NVR・PCで復号

モニター表示

という処理が必要です。

そのため、システムによっては実際の動きからモニター表示まで遅延が発生します。

一方、AHDなどの同軸方式は、IP方式と比較してリアルタイム性に優れる構成を作りやすいという特徴があります。

工場ではAHDが向いている場合もある

新しい防犯カメラだから、すべてIPカメラにすればよいとは限りません。

例えば工場で、製造ラインをカメラで確認しながら操作する場合を考えてみましょう。

IPカメラの映像に遅延があると、

実際の機械の動き

モニター上の映像

に時間差が生じます。

ライン停止など即時判断が必要な用途では、この遅延が問題になることがあります。

そのため、リアルタイム性を重視する現場では、AHDなどの同軸カメラを選択する場合があります。

店舗でも遅延が問題になることがある

例えばレジから離れた場所にモニターを設置し、レジの混雑状況をリアルタイムで確認する場合です。

この用途では、

「誰が映っていたかを後で確認する」

ことより、

「今、レジに何人並んでいるかを見る」

ことが重要です。

そのため、表示遅延が少ないシステムが使いやすい場合があります。

防犯カメラは録画性能だけでなく、どのように映像を利用するのかによって適切な方式が変わります。

既設の同軸ケーブルは再利用できる?

AHD・TVI・CVIなどのメリットの一つが、既設同軸配線を利用できる可能性があることです。

例えば20年前に設置したアナログカメラシステムでも、配線状態が良ければ、

カメラ交換

DVR交換

によって高解像度化できるケースがあります。

これにより、天井裏や壁内の配線工事を減らせる可能性があります。

ただし、古い同軸ケーブルなら何でも利用できるわけではありません。

古い同軸ケーブルを再利用するときの注意点

既設配線を利用する場合には、

  • ケーブルの種類

  • ケーブル長

  • 劣化

  • 接続部分

  • 中継箇所

  • BNCコネクタ

  • ノイズ

  • 絶縁状態

などを確認します。

古い配線では、低解像度のCVBS映像では問題がなくても、高解像度信号へ変更すると映像が不安定になることがあります。

そのため、既設配線を再利用できるかは実際に確認する必要があります。

5C-FB・3C-2Vなど同軸ケーブルにも種類がある

同軸ケーブルにも複数の規格があります。

防犯カメラ設備では、

5C-FB

3C-2V

などを見ることがあります。

ケーブルによって、

  • 太さ

  • 減衰

  • 周波数特性

  • 取り回し

などが異なります。

高解像度化や長距離伝送では、カメラの信号形式だけでなく、使用している同軸ケーブルの性能も重要になります。

同軸カメラとIPカメラの違い

同軸カメラとIPカメラの違い、メリット、デメリット

どちらが優れているというより、使用目的によって使い分けることが重要です。

「アナログ」と「デジタル」だけで判断しない

AHDなどを、

「アナログだから古い」

IPカメラを、

「デジタルだから新しくて高性能」

と単純に考えるのは適切ではありません。

AHD・TVI・CVIなどは、既存の同軸インフラを活用しながら高解像度映像を扱えるよう発展してきました。

一方、IPカメラは、

  • ネットワーク伝送

  • PoE

  • AI機能

  • 高度なシステム連携

などに強みがあります。

重要なのは技術の新旧ではなく、設置目的に適した方式かどうかです。

信号形式を間違えるとどうなる?

カメラとレコーダーの信号形式が合っていないと、

  • 映像がまったく出ない

  • NO VIDEOと表示される

  • 映像が乱れる

などの症状が出る場合があります。

その場合、「カメラが故障している」と判断する前に、

  • カメラの出力方式

  • DVRの入力対応方式

  • 入力解像度

を確認しましょう。

特に既設設備の一部だけを交換したときに起こりやすいトラブルです。

防犯カメラを交換するときに確認すること

既設カメラを交換するときには、最低限次の項目を確認します。

  1. 現在のカメラの信号形式

  2. DVR・NVRの型番

  3. レコーダーの対応信号形式

  4. 対応入力解像度

  5. 使用しているケーブル

  6. 電源方式・電圧

  7. カメラとレコーダーのメーカー

  8. AIなど必要な機能

「BNC端子だから交換できる」ではなく、システム全体で互換性を確認することが重要です。

よくある質問

AHDカメラを古いアナログDVRへ接続できますか?

DVRがAHD入力に対応していなければ、基本的にはAHD信号のままでは使用できません。ただし、カメラ側をCVBSへ切り替えられる製品などもあります。

AHDカメラとTVIカメラを同じDVRで使えますか?

DVRが両方の方式に対応していれば使用できる場合があります。マルチフォーマットDVRの対応仕様を確認してください。

同じAHDなら500万画素カメラも使えますか?

レコーダー側が500万画素のAHD入力に対応している必要があります。AHDという方式だけでなく、対応解像度も確認しましょう。

BNC端子ならどのカメラでも接続できますか?

いいえ。BNCはコネクタ形状です。信号形式や解像度が対応しているかを別途確認する必要があります。

IPカメラはDVRへ接続できますか?

一般的にはNVRを使用します。ただし、IPカメラ入力にも対応したハイブリッドDVRなどもあります。

IPカメラとAHDではどちらがおすすめですか?

用途によります。AI機能やネットワーク連携を重視するならIP、既設同軸配線の利用やリアルタイム性を重視する場合はAHDなどが適していることがあります。

まとめ

防犯カメラには、さまざまな映像信号・伝送方式があります。

代表的なものは、

CVBS
→ 従来型のアナログ映像

AHD
→ 同軸ケーブルで高解像度映像を伝送

HD-TVI
→ 同軸ケーブルを使用する高解像度方式

HD-CVI
→ 同軸ケーブルを使用する高解像度方式

IP
→ LAN・ネットワークで映像データを伝送

です。

特に注意したいのは、

「端子が同じ=互換性がある」ではない

という点です。

カメラを交換・増設するときには、

信号形式 × 解像度 × レコーダー × 配線

をセットで確認する必要があります。

また、IPカメラがすべての用途で優れているわけではありません。

AI機能やネットワーク連携ならIPカメラ、既設同軸配線の活用やリアルタイム性ならAHDなど、使用目的によって適切な方式を選ぶことが重要です。

防犯設備士からのワンポイントアドバイス

既設防犯カメラの交換で意外と多いのが、

「BNC端子だから新しいカメラを付ければ映るだろう」

という考え方です。

しかし実際には、CVBS・AHD・TVI・CVIといった信号形式があり、さらに同じ方式でもレコーダーが対応できる解像度に違いがあります。

そのため、既設カメラを交換するときは、カメラだけを見るのではなくレコーダーの型番と仕様を確認することが非常に重要です。

また、古い同軸配線が残っている現場では、無理にすべてLANへ引き直さなくても、AHDなどを利用して高解像度化できる場合があります。

一方、AI人物検知・顔認識など高度な機能を積極的に利用するならIPカメラが有力です。

新しい方式だから選ぶのではなく、「その現場で何をしたいのか」から信号方式を選ぶ。

これが、防犯カメラシステムを設計するときの重要なポイントです。

この記事の監修

株式会社関東セキュリティ

創業20年。

関東エリアを中心に、工場・倉庫・店舗・病院・学校・マンションなど数多くの防犯カメラ施工を手掛けています。

本サイトでは、長年の施工経験をもとに、防犯カメラ選びで失敗しないための情報を分かりやすく発信しています。

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